やんばる通信

 

2020年10月26日

 10月26日、友人を案内して、やんばるの森へ行って来ました。初めての方は、決まって伊部岳へ案内することにしています。伊部岳は容姿が美しい山であること、かつて生活をしていた遺構がいろいろと残されている事、中腹に樹齢400年といわれる日本一のオキナワウラジロガシがあることが理由です。登山口で、山歩きの注意点や伊部岳の概要などを説明して、登り始めました。さすがに、初めのうちは喘ぎあえぎ登っていましたが、次第に息が落ち着いて歩けるようになっていました。途中、森の中の居住地跡に寄って、森を暮らしの糧に生きていた昔の人たちの生活に思いを馳せました。タシロルリミノキやマルバルリミノキ、ハシカンボク、マルバハグマ(オキナワテイショウソウ)の花が咲いているのがありました。また、正月飾りで知られるセンリョウやマンリョウが色づき始めていました。アカボシタツナミソウ、アリモリソウ、リュウキュウコンテリギ、コバノミヤマノボタンがありました。いつものポイントで、ヤッコソウが大量に発生していました。そして、この山では初見のムロトムヨウランと思われる果実が見つかりました。何とか頂上へ着き、東海岸の絶景を堪能して、昼食にしました。アオカナヘビやバーバートカゲが姿を見せてくれました。下山の途中、中腹辺りから谷間へ降りて行き、オキナワウラジロガシを目指しました。道すがら、樟脳窯や炭窯の遺構を説明しました。イヌセンボンタケ、滅多に見つからないマメザヤタケ、美味しいアラゲキクラゲが見つかりました。また、オオシマゼミが盛んに鳴いて、秋の訪れを感じさせていました。そして、リュウキュウハグロトンボが、輝くようなメタリックブルーの姿を見せました。推定樹齢400年といわれる日本一のオキナワウラジロガシは、その圧倒的な容姿、荘厳なたたずまいで、訪れる人間たちを優しく包み込んでくれているようでした。偉大な自然から大きなパワーを貰い、非日常を体験して森を後にしました。
帰路、見たことがないというので、真喜屋にある福滝へ案内しました。その落差、水量に圧倒されていました。夕方だったこともあり、誰もいない滝は幻想的な雰囲気を漂わせていました。


伊部岳

  
タシロルリミノキ                              マルバルリミノキ

  
ムロトムヨウラン? 果実                               センリョウ


イヌセンボンタケ


住居跡

  
マメザヤタケ                            アラゲキクラゲ

  
ハシカンボク                                マルバハグマ


伊部岳頂上


伊部岳頂上


樟脳窯


炭窯


ヤッコソウ

   
オキナワウラジロガシ                            福滝