やんばる通信

 

2008年9月20日

 9月20日、オオオサランを是非見たいという、関東の方を案内して、撮影に行って来ました。一株の花の開花期は1週間程度と短いので、うまく開花に巡り会えるかと心配しながら山へ入りました。頂上の岩場へ着き、周辺をくまなく探してしてみると、満開状態の良好な株が見つかりました。さわやかな、透明感のある淡い翡翠色の花を咲かせていて、状態の良い写真を撮ることができました。まだ蕾の状態の株も何株もありましたので、しばらくは楽しめそうです。また、森の中では、ツルランの残り花やノシランの真っ白い花が咲いていました。
 林道沿いでは、センニンソウ、ケカラスウリ、フサナリツルナスビ、コキンバイザサ、リュウキュウボタンヅルが見つかりました。ダイサギソウは、蕾が上がり出していました。
 次に行った山では、キキョウ科のサイヨウシャジンが開花し始め、秋の訪れを伝えていました。サイヨウシャジンは準絶滅危惧種で、高さ20〜60cmになる多年草です。釣鐘型の花は淡紫色〜紫色で、風に揺れる様は可憐です。県内の分布は、沖縄島北部、久米島、渡名喜島、粟国島、慶良間諸島で、日当たりのよい低地の原野から山地路傍にかけて生えます。また、目処萩(メドハギ)が、一斉に可愛らしい花を咲かせて、風に揺れていました。目処萩(メドハギ)とは、「筮(メドギ)萩(ハギ)」が詰まったもので、筮竹(ぜいちく)として占いに使われています。沖縄では、旧盆などの行事の時に、ソーローメーシとして、 枝先は束ねて足を払(洗)うのに使い、枝元は切ってグソー(「後生」冥界・死者)のお箸として使います。

 
オオオサラン

 
オオオサラン

 
オオオサラン


 
ダイサギソウ                          コウトウシラン

 
センニンソウ                        メドハギ

     
フサナリツルナスビ                     ツルラン

 
リュウキュウボタンヅル                  ケカラスウリ


  
サイヨウシャジン

 
サイヨウシャジン                     コキンバイザサ