やんばる通信

 

2007年1月3日

 1月3日に、恒例の初歩きにやんばるの森へ行って来ました。森の中では、絶滅危惧種のオキナワセッコク、危急種のレンギョウエビネ、カシノキラン、ヒメトケンラン、オナガエビネ、ツルラン、ヤクシマアカシュスラン、イナバラン、クモラン等の貴重な植物に出会いました。特に古木にオキナワセッコク、カシノキランの大株が数株も着生していました。また、オキナワスズムシソウ、ヒメサザンカ、サザンカ、サクラツツジ、サツマイナモリも咲き出し、アオノクマタケラン、マンリョウ、リュウキュウミヤマシキミの真っ赤な実、ルリミノキの瑠璃色の実が森に彩りを添えていました。今回は、下見を兼ねてじっくり探しながら歩いたので、数カ所でいくつもの野生蘭の株が見つかりました。蕾の付いている株もあり、開花時期を見計らって撮影に行く予定です。
 林道沿いでは、ムラサキシキブの紫の実、クロガネモチの真っ赤な実がどっさり付き、ツルグミの花が咲き出していました。
 帰り際、幻のリュウキュウボウランの開花情報が入り、撮影してきました。リュウキュウボウランは、1974年に1個体しか採取されておらず、新種として記載された時にただ1度報告があるだけで、その後全く確認されていません。その個体は現在標本になっているそうです。ボウランとナゴランの属間雑種とされる貴重な野生蘭です。残念ながら、自然界では絶滅種となっています。幸いにも友人が、その枝を譲り受けたのが残っていて、今回初めて開花に出会いました。花や株の状態を観察したところ、とてもナゴランの雰囲気は感じられず、むしろバンダとの属間雑種のように感じました。それにしても、とても美しい蘭で、新年早々、大変感動の出会いでした。

  
オキナワセッコク

   
オキナワセッコク                        イナバラン

  
クモラン                           ヤクシマアカシュスラン

  
タカツルラン                                     サワガニ

  
クロガネモチ

  
ツルグミ                                   斑入りコシダ

     
オキナワスズムシソウ                              リュウキュウボウラン

     
リュウキュウボウラン