やんばる通信

 

2006年9月24日

  植物写真家のお二人を案内して、クニガミトンボソウ(ソノハラトンボソウ)の開花を撮影する目的で、やんばるの森へ行って来ました。クニガミトンボソウは、沖縄県の固有種で、絶滅危惧種の中でも近年は株そのものの確認さえ困難な状況になっていますが、この場所では、かろうじて数10株が毎年確認されています。ハブに注意しながら森の中を進み、目的の場所へ着くと、クニガミトンボソウは幸運にも、予想通り開花していて、夢中になって撮影していました。最高の状態の花を撮影することができて、大喜びでした。周辺では、ハシカンボクが可憐なピンクの花を咲かせていました。
   なお、環境省では、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づき、平成14年9月1日より「オキナワセッコク(俗称:タケラン)」および「クニガミトンボソウ(別名:ソノハラトンボ)」の2種を国内希少野生動植物種に指定しています。(現在、植物は19種が国内希少野生動植物種に指定されています)このため、これらの種の個体等の採取・販売・譲渡等を許可なく行うことはできなくなっています。これは、これらの野生個体群が生息地の森林の伐採等により減少し、絶滅のおそれが生じているため、野生個体の採取及び採取された個体の流通等を規制するための措置です。
   その後、沖縄県の固有種で危急種のオキナワヒメラン、カンダヒメラン(マツダヒメラン)の開花の確認に行きました。こちらも近年、個体数が極めて少なくなって気をもんでいる野生蘭ですが、私たちを待っていたかのように、目立たない小さな小豆色の可憐な花を精一杯開いていてくれました。また、ダイサギソウも真っ白で端正な花を、きりりとした姿で咲かせていました。 

  
クニガミトンボソウ(ソノハラトンボソウ)

  
クニガミトンボソウ
                        
ヒメハブ

   
ヒメタムラソウ              ヤクシマスミレ

  
オキナワヒメラン

  
カンダヒメラン(マツダヒメラン)

  
 
ダイサギソウ

  
ダイサギソウ