やんばる通信

 

2005年9月25日

  沖縄県の固有種で、絶滅危惧種の中でも近年は株そのものの確認さえ困難な状況になっている、クニガミトンボソウ(ソノハラトンボソウ)の開花を撮影する目的で、植物写真家のお二人を案内して、やんばるの森へ行って来ました。この場所では、かろうじて数株が毎年確認されていますが、なかなかいい開花状況の花に巡り会えていませんでした。ハブに注意しながら森の中を進み、目的の場所へ着くと、クニガミトンボソウは予想通りちょうど満開で、一同、感動の声を上げながら夢中になって撮影していました。幸運にも、最高の状態の花を撮影することができました。さらに、皆で付近をくまなく調査してみると、今回は数十株を確認することができて、大喜びでした。周辺では、ハシカンボクとヌスビトハギが可憐なピンクの花を咲かせていました。そして、沖縄県の固有種で、絶滅危惧種、天然記念物のホルストガエルのかわいらしい赤ちゃんが、じっとおびえた表情で潜んでいました。
  また、この時期には開花するはずのないシマイワカガミが3株、一行を歓迎するかのように花を着けていました。森の中では、絶滅危惧種のオキナワセッコク、危急種のトクサラン、レンギョウエビネ、カシノキラン、チケイラン、ヒメトケンラン、マメヅタラン、ツルラン、ナギランなど、多くの貴重な植物に出会いました。
   その後場所を変えて、沖縄県の固有種で危急種のマツダヒメラン
(カンダヒメラン)の開花の確認に行きました。こちらも近年、個体数が極めて少なくなって気をもんでいる野生蘭ですが、 私たちを待っていたかのように、目立たない小さな花を精一杯開いて歓迎してくれました。 

  
クニガミトンボソウ(ソノハラトンボソウ)

  
クニガミトンボソウ(ソノハラトンボソウ)

  
クニガミトンボソウ(ソノハラトンボソウ)      マツダヒメラン(カンダヒメラン)

  
マツダヒメラン(カンダヒメラン)

  
マツダヒメラン(カンダヒメラン)           ヌスビトハギ               


  
 ハシカンボク

  
シマイワカガミ

  
  ホルストガエル                ツマベニチョウ