やんばる通信

 

2005年7月18日

  今回は、夏咲きエビネの開花を撮影するため、約2ヶ月ぶりでやんばるの森へ行って来ました。まだ足を踏み入れたことのない谷間へ入り込むと、さっそくヒメハブのお出迎えで、一同緊張が走りました。
  森の中では、あちこちでコバノミヤマノボタンが咲き出し、絶滅危惧種のカンラン、危急種のトクサラン、レンギョウエビネ、カシノキラン、チケイラン、ナンカクラン、オナガエビネ、ツルラン、ナギラン、ヒメトケンランなど、多くの貴重な植物に出会いました。また、天然記念物のホントウアカヒゲ、アカショウビン、コノハチョウ、ホルストガエル、リュウキュウヤマガメに3匹も出会いました。1日でこんなに貴重な動植物に出会うということは、この森のすばらしさを証明しています。
  さらに森の奥へ奥へと進んでいると、ガスが出てきて、まずいことに回りの視界がきかなくなり、方角が分かりづらくなってしまいました。みんなでいろいろと協議をした結果、風が吹いてくる方角に気づき、それをヒントに向かうべき方向を見当をつけて歩みだしたところ、まもなく以前通った場所へ出て、難を逃れました。普段、ガイドをしているベテランでもこういうことが起きるわけですから、気軽に森へ入ることは危険です。
  帰り際、どうしても諦めきれずに、もう一カ所入ってみようということになり、行き慣れた場所へ入ってまもなく、淡いピンク色のリュウキュウ(ツルランとオナガエビネの自然交雑種)が可憐な姿でひっそりと咲いていました。一同、疲れも吹っ飛び、しばし見とれていました。念願の貴重な画像となりました。
    
原生林

    
原生林               カシノキラン

    
 
コノハチョウ

   
 
ムヨウラン                       コバノミヤマノボタン

   
リュウキュウ(ユウヅル)