2004年5月9日
5月9日、やんばるにアブラギリの花を見に行って来ました。アブラギリは中国原産の落葉高木で、琉球王府時代に中国から導入されたものといわれています。その種子から油を取るほか、漆の薄め液、防腐剤としても利用されるなど、重宝がられた植物です。琉球王府が、国頭村山中の谷間に植林させて大切に保護育成してきたものといわれていますが、現在では、その存在を知る人もほとんどいません。毎年、5月の「母の日」前後に枝先に直径4cmほどの白い花をアジサイのように多数つけて咲く、親孝行の花です。台湾では、花が満開になると、まるで山が雪に包まれたかのようになることから、「五月雪」と呼ばれているそうです。雪と見まちがう白い花が山を白く染め、落ちた花びらが白い絨毯になって山の小道を埋め尽くしている情景は、多くの方に見てもらいたい花です。やんばる山中の谷間にひっそりと咲く花を、わずかな愛好家が訪れて花見を楽しんでいます。 谷間に近づくと、さっそく好奇心の強い天然記念物のホントウアカヒゲが出迎えてくれました。 |