与那国島

  周囲約27.5kmの、日本最西端にある断崖に囲まれた孤島で、渡るのが難しいと書いて「渡難」(どなん)とも呼ばれます。「老人と海」の舞台としても知られていますが、最近ではTVドラマ「Dr.コトー診療所」の撮影地として観光に訪れる人たちも多くなったようです。実際、私が訪れたときも「Dr.コトー」の撮影の真っ最中でした。また、「海に沈んだムー大陸の一部ではないか」といわれて、脚光を浴びている海底遺跡が有名です。ダイビングポイントとしても人気のスポットですが、潮の流れが速くて上級者向きだそうです。グラスボートでの海底遺跡観光もありますので、ダイビングができない人でも見ることができます。そして、カジキマグロ漁でも知られ、久部良漁港では水揚げされた姿もよく見られます。
 島内はけっこう広く起伏にも富んでいるので、島内観光はレンタバイクかレンタカーがおすすめです。アクセスは、石垣島から飛行機で約30分か「フェリーよなくに」で約4時間で行くことができます。





日本の最西端−西崎(いりざき)
 与那国島(よなぐにじま)の最西端にある岬で、日本最西端之碑があります。西崎は久部良の漁港からすぐで、ここに登ると集落が一望できます。展望台の周囲に人影は無く、風が吹き抜ける紺碧の海と空、白い雲だけの最西端でした。ここから見る島と海の風景は絶景で、島全体がパノラマ状に見渡せ、晴れた日には台湾の山並みが見えるそうです。当然、ここから望む夕陽は日本で一番最後に沈む夕陽となります。

サンニヌ台
 風化と波の侵食でできた階段状に続いている断崖を「サンニヌ台」といい、その沖にある軍艦の様な形をした岩礁が「軍艦岩」です。NHK大河「琉球の風」のロケも行われ、展望台に記念碑もあります。


比川浜(ひがわはま)
  比川集落の前に広がる入江状のビーチで、その形から「月の浜」とも呼ばれています。普段は人っ子一人いない、時が止まっているかのような浜です。シャワーとトイレ等の施設があります。砂浜に近いところは泥水が流れ込んで濁っており、高水温による白化現象と併せて一度全滅した形跡がありました。少しずつ復活しつつあり、イソギンチャクとハマクマノミの家族が頑張って生息していました。もうこれ以上公共工事をしないでほしいものです。2003年7月からテレビで放送され、大人気となった「Dr.コトー診療所」の建物があります。




                                              ミナミイシガメ

クバ自生地


海岸道路
  放牧されている与那国馬や牛がのんびりと草を喰んだり、悠々と道路を歩いている姿がほのぼのとしています。優先権は彼らにあるようです。また、牛や馬の糞があちこちに落ちているので歩く時は気をつけましょう。







与那国馬
  日本に八種類いる在来馬の中の一種で、体高は120p足らずの日本最小の馬です。400年程前に与那国島に連れてこられ、以来野生の状態で暮しています。主食は草原に生えるコウライシバや草原のあらゆる植物を食べて生きています。出産のピークは4〜5月頃です。
立神岩(たちがみいわ)
  サンニヌ台の南西にあり、高さは約10mほどで、紺碧の海の中から雄々しく突きたった岩は神々しさを放っています。その昔この岩に登った島の若者が降りられなくなり、神様に助けられたという伝説から立神岩と呼ばれるようになったそうで、島の象徴ともいわれています。

「遺跡ポイント」
 場所は島の南側にある新川鼻(あらかわばな)という岸壁の100m先で、幅65m、長さ約250m、高さ約20m、一番浅いところの水深は約12mで、海底遺跡ではないかと言われている巨大な海底の構造物です。人工物か自然の地形か調査が進められているところです。




ダンヌ浜(北牧場の一角)
  誰も来ない真っ白な砂のプライベートビーチでは、波打ち際から驚くほど透明なクリスタルウォーター、その後ろにエメラルドのちゅら海が広がっていました。リーフエッジまで50mと大変近く、熱帯魚もさまざまな種類がいました。シャワーとトイレ、駐車場等の施設がありました。





東崎(あがりざき)
 こちらは島の東端の絶壁にある岬で、白い灯台が建てられています。一帯は緑の芝生が広がる牧草地で、天然記念指定の与那国馬と牛が放牧されています。東牧場の中を歩いて行った先端の絶壁の頂上からは朝日がきれいに眺められます。岬付近のダテクチディと呼ばれる小高い丘に、かつて海上を行く船の監視と通報を行った、火番小屋の史跡が残っています。太陽が昇るからあがりざき(東崎)、沈むからいりざき(西崎)とは、よく言ったものです。



              マルバアサガオカラクサ
                                          



                      与那国空港


「ユキさんち」
   日本最西端のカレー屋 「ユキさんち」は、久部良集落にある橋の横の坂道を上る途中にあります。赤瓦屋根の店内は、風の吹き抜ける心地いい空間でした。カレーの内容は日替わりメニューで、とてもおいしかったです。
「どなん」
  与那国島のみで醸造されているアルコール度数60度の「花酒」と呼ばれる泡盛も名物で、工場見学も可能です。アルコール度数が高すぎて酒税法では「酒」扱いにできず「醸造アルコール」に種別されているそうです。与那国島には国泉酒造(どなん)、入波平良(いりなみひら)酒造、崎元酒造の3つの蔵本があり、いずれも花酒のほかに普通の泡盛も製造しています。
「ビヤガーデン国境(はて)」
   やしがに料理に挑戦!と意気込んで出かけましたが、情報不足で予約せずに飛び込んだものですから、残念ながら今回は食べることが出来ませんでした。でも、刺身やにぎりはさすがに新鮮で美味しかったです。