ツクシスミレ(筑紫菫)
Viola diffusa
ツクシスミレ 【特 徴】 草丈は5〜15p程で、全体に毛があり、葉は長卵円形で基部が心形にならない。長さ2〜4pの葉がへら形であることが、最も大きな特徴である。横にランナー状の茎を出し、節から発根して新しい株を作る。花は小さく、薄紫色か白色で、唇弁は特に小さく、紫色の筋が入る。 葉が心形でないために、一見したところ、スミレらしくない。ツクシスミレは、1902年,新種(Viola kiusiana Makino)として発表されたが、その後台湾や東南アジアなどに分布する「Viola diffusa」と同じものであることが判明した。ツクシスミレは、おそらく朝鮮半島か中国から人為的に持ち込まれたものが野生化して、九州などに自生するようになった帰化植物で、日本に昔から存在するスミレではないだろうといわれている。環境が整えば強い増殖力を示すが、沖縄における自生地は、法面工事で絶滅したものと思われていたが、数年前に自生が見つかり、ずっと開花を追っていたところ、ようやく開花に出会えた。 【分 布】 九州・沖縄・中国・台湾〜東南アジア諸国〜インド 【生育地】 人里近くから耕作地周辺や道路の法面などの向陽地や日陰 【花 期】 11〜4月 |