渡名喜島

 渡名喜村(となきそん)は、沖縄本島那覇市の北西約60kmの洋上に位置し、渡名喜島と入砂島(いりすなじま)の二島からなっている村です。渡名喜島は、周囲12.5kmのやや三日月型の小さな島で、北部は緩やかな丘陵地帯、南部は石灰岩が露出した山岳地帯、南東部は絶壁となって海に臨んでいます。村落は、南北の丘陵地帯の間に集落をなしていて、人口約500人と、沖縄県で最も人口の少ない村です。村花はカワラナデシコで、村木はフクギとなっています。北に粟国島、南東に慶良間列島、西に久米島があり、これらの島々のほぼ中央に位置しています。島の産業基盤は漁業と農業が中心で、海岸線は、サンゴ礁原が発達して、海産物に恵まれ、沿岸や沖合域は豊かな漁場となっています。陸域は狭あいで耕地に乏しいものの、モチキビや島ニンジンが栽培されています。
 渡名喜島の集落は、白砂の細い道とフクギ並木に赤瓦屋根が美しい、伝統的な集落景観が評価され、2000年5月に、全国で55番目の「重要伝統的建造物群保存地区」として、国の重要文化財に選定されました。小さな集落には、白砂の細い道路に沿ってほぼ方形の敷地が並び、石垣や防風林のフクギが赤瓦屋根の家を取り囲んでいます。家屋は、台風の被害を防ぐために、道路面より1mほど低く掘り下げた土地に建てられています。厳しい自然環境にあって、美しい集落景観と伝統的な建造物が現在まで伝えられていて、島全体が県指定の自然公園になっており、豊かな自然が残っています。
 那覇泊港から久米島までの定期船が出ており、その経由地点として渡名喜港があります。 






入砂島(いりすなじま)
  
 
渡名喜港とフェリーくめしま

 入砂島は、自衛隊の演習地になっていて、平日は実弾による射爆場となっているようです。こんなに美しい島に実弾を撃ち込む必要性があるのでしょうか?



サイヨウシャジン

 2006年3月、村道1号線に歩行者用のフットライトが整備されて、ライトアップされました。



アオタテハモドキ
 

アオタテハモドキ


東浜(アガリバマ)


円錐カルスト





アンジェーラ浜


屏風岩





ハイキンゴジカ


ヒレタゴボウ?


サイヨウシャジン



サイヨウシャジン白花


島尻毛(シマジリモウ)
 また、集落から丘陵にかけて、カワラナデシコ、サイヨウシャジン、テリハノイバラ、ツルボ、ショウキズイセン、キンバイザサ、リュウキュウコスミレ、リュウキュウシロスミレ、キバナノヒメユリ、ハイキンゴジカ、サキシマフヨウ、ツワブキ等が自生していて、豊かな植生です。今回、開花が確認できたのは、カワラナデシコ、サイヨウシャジン、ツルボ、ハイキンゴジカ、ヒレタゴボウ、サキシマフヨウ、ツワブキ等でした。特にサイヨウシャジンは、島中いたるところで満開で、お花畑状態でした。スミレやキバナノヒメユリ、テリハノイバラ、ショウキズイセン等の開花時期に、ぜひまた訪れてみたいと思います。                     

 
カワラナデシコ
 

 

 

 
 
島中がポイントともいえる渡名喜島のダイビングは、人気があります。釣りも、磯釣り、船釣りとも、釣り人あこがれの地となっています。


ツルボ





野生のスイカ


























 
ユブク浜

 
イェーンシジ
 
ウチドゥンシ

 
フカドゥンシ

 
古生代のチャート
  島の南部は古生代二畳紀(約2億5千万年前)の千枚岩や石灰岩、その他の地層が分布していて、いたる所で奇岩が露出するダイナミックで独特な景観を見せており、貴重な植物や鉱物の楽園が広がっている島です。