パナリ島

  西表島と黒島の間にあって、その青い海にぽっかり浮かぶ新城島は、上地島(かみじじま)と下地島(しもじじま)との2つの島に離れているので、方言で「離れ」を意味する「パナリ」と呼ばれています。人魚(ジュゴン)伝説でも有名な島です。上地島は周囲約6.2km、下地島は周囲約4.8kmの島で、干潮時にはふたつの島の間を歩いて渡れるそうですので、一度是非渡ってみたいと思っています。観光施設もないため、手付かずの自然がたくさん残っています。とにかくこの島の海域は透き通るほど美しい海で、目がくらむようなエメラルドブルーでした。島へ渡るための定期船はありませんので、各島から出発するスノーケリングツアーなどに参加した方がいいかもしれません。
 上地島にはわずかに数世帯が先祖伝来の土地を守って、暮らしています。集落のほかに昔人頭税として献上されたジュゴンが祀られている「アール御嶽」や「タカニク」というかつての火番盛(昔の海上監視所)の跡などがあります。島内観光は徒歩のみで、民宿や商店などはありません。
 下地島は島全体がパナリ牧場という牧場になっていて、牧草地が一面に広がっています。島の中央には牧場の畜舎があり、大きなサイロが建っています。





「クイヌパナ遠見台」 
 上地島の港のすぐそばにある石組みの展望台で、新城島に伝わる民謡“くいぬぱな節”にも唄われる島随一の景勝地です。石段を登って頂上に立ち、周りを見渡すと隣の西表島まで見通せます。



「パナリ焼」
 かつて新城島に漂着した中国人により伝えられたとされる焼物で、タカセ貝やシャコ貝の貝殻を砕いて赤土と混ぜて焼かれたと云われています。











沖縄タイムスの特集 : 島を往く・船人くらし(8)