大神島

 2017年7月17日、大神島(おおがみじま)へ行って来ました。 大神島は、宮古諸島のひとつで、周囲約4km、面積は0.24 km2。人口は16世帯24人のピラミッド型をした小さな島です。(2017年7月現在)。沖縄でも有数のパワースポットが集中する島です。
 大神島へは、宮古島の北東部にある島尻魚港から定期船「スマヌかりゆす」で行きます。夏季1日5往復、冬季1日4往復出ていて、所要時間は約15分です。大神島は古くから「神の島」「神様がいる」と伝えられてきました。今も「聖域」と呼ばれ、無断で入ってはいけない場所が数多く存在し、島の人々の大切な信仰の場となっています。何かがありそうな、起きそうな、そんな存在感がある島です。
 まず、島の中心にある標高74mの遠見台へ登ってみました。鬱蒼とした木々の間を登っていきますが、とても神秘的で特別な場所なのだと感じさせられます。かなり急な階段を息を切らしながら登っていきます。頂上は文字通りのビューポイントで、360度のパノラマが広がり、池間島や宮古島も見えます。神が降りてくる場所といわれています。晴れていたら、美しい青のグラデーションの絶景だそうです。残念ながら、この日は曇り空でした。
 島の北側海岸には、浸食により根元が細く削られたノッチと呼ばれる奇岩が点在しています。
 大神島の特産品は燻製タコの料理カーキダコ丼です。島唯一の食堂兼民宿「おぷゆう食堂」で食べられます。
 高齢化と過疎化が進んで、小中学校は廃校となり、校舎は解体されていました。
 島を一周する道路が計画されていましたが、島の東部から北部にかけての約1/4強が未完成で、島の東端付近と西端付近で行き止まりになっています。島民によると、工事が中断された理由は、工事の途中で重機の部品が壊れたり病人が続出したため、島の神司が祈願をして工事を再開したが、それでも工事関係者が死亡するなどの異変が続いたためだそうです。
 何の霊感もない私ですが、島にいる間中ずっと特別なものを感じました。大神島は独特な時間が流れる、まさに島全体がパワースポットのようでした。
 私たち夫婦は、ここ20年程で沖縄県の離島をほとんど回っていて、残るのは大神島だけでした。連れがずっと、「元気になったら一緒に大神島へ行こうね」と言っていましたが、望みがかなわないまま3月に他界してしまいました。だから、連れの誕生日を選んで写真を胸に大神島へ行ってきました。
 それから不思議なことが次々と起こりました。島にいる間中ずっと無数の蝶の群れが周りを飛び交っていました。宮古島のホテルへ戻り、夕飯はどこへ行こうかとさんざんネットで検索していましたが、民謡居酒屋のような所ばかりが紹介されていました。地元の人たちが行く静かなところはないものかとたどり着いたのが「大衆居酒屋 なみ吉」でした。なんと、ホテルのすぐ隣でした。入ってカウンターを見ると予約席の札ばかりで、どうしようと思っていたら、常連らしき客が「隣は空いています」と声をかけてくれたのでそこへ座りました。暫く会話をしていたら、お笑い芸人の島田洋七が奥さんと一緒に来店し、隣へ座り、「面白い話しているなあ」と話しかけてきました。それから二時間程おしゃべりをして笑い転げていましたが、私たち二人は友人で、私が相談に乗っているのかと思ったら、「見ず知らずの初対面」と聞いて、ビックリしていました。それから隣の人に誘われるまま、私たち二人は近所の「カラオケ居酒屋」へ流れて、30分程するとドアが開いて入ってきたのはまたしても洋七夫婦。もう、笑うしかないでしょう。そこでも二時間、楽しく過ごしました。
 元々は傷心の旅だったのに、帰るころにはすっかり笑顔の旅になっていました。

                  定期船「スマヌかりゆす」
 


 


 

遠見台
 

遠見台
 

ノッチ
 

「おぷゆう食堂」                      島の生活を支えていたカー(井戸)