ホンゴウソウ属はやんばるのやや湿った樹林下や竹林等で良く見かけていた。長期間に渡り、仲間内では、ここの物は細くて背が高いと感じていた。そこで、神戸大の末次氏に調べてもらっていた。この植物は、ホンゴウソウ属の植物で、雌花の花柱が棍棒状で多数の突起をもつ点でホンゴウソウそのものとは異なり、屋久島固有種であるヤクシマソウと近縁であることがわかった。その一方で、ヤクシマソウは地上部全体が黒紫色であるのに対し、沖縄で新たに発見されたこの植物は雄花の花糸が葯の高さを超える点から、ヤクシマソウとも区別できることがわかった。DNA分析の結果ではホンゴウソウよりもヤクシマソウの系統という事で、ヤクシマソウの変種で名称がオキナワソウとして論文が発表された。初めはどれもホンゴウソウと思っていたが、沖縄本島や石垣島で採取されホンゴウソウとされていた標本の多くが、今回発見されたものと同一とわかった。つまり沖縄ではホンゴウソウよりも、今回発見されたオキナワソウのほうが良く見られるということだ。 |
【特 徴】草丈5〜10pの菌従属栄養植物。茎は細く、葉は鱗片状の長さ1.5oで、葉緑素は無く、赤紫色。花は茎の先端に長さ0.5〜2pの総状花序をつくり、直径1.5mmほどの花をつける。茎の先端に雄花をつけ、その下には雌花がある。裂片は下に丸く反るが、先に黒紫の突起物が3個(オモトソウは6個)見える。白い部分が雄花の葯で花粉が花に沢山飛んでいて、葯の上から花枝が3個伸びている。(ヤクシマソウは雄花の花枝は葯の高さを超えない) 【生育環境】暗い林内や林縁の林床 【分 布】沖縄本島、石垣島 【開花時期】7〜9月 【カテゴリ-】 |