クマツヅラ科 ヒルギダマシ属

ヒルギダマシ(蛭木騙)

Coptosapelta diffusa

ヒルギダマシ
2007.08.31


【特  徴】高さ2〜5mの常緑小高木。干潟の泥の中に放射状に広く水平に根を張り、高さ数cm程度の柔らかい筍根と呼ばれる多数の呼吸根を泥土上に直立させる。小枝はまるく4縦稜があり無毛、若枝には鱗片状の毛が密生して灰白色になる。葉は対生し、革質、倒卵状長楕円形で全縁、長さ4〜8cm、表面は無毛で光沢があるが裏面は粒状毛が密生して灰白色を呈する。葉には本種のもう一つの大きな特徴として塩類腺がある。塩類腺は、常に海水に曝される本種の塩分の排出機構であり、葉の表面・裏面に存在するため、代謝が活発で気温が高い夏季などには、塩類腺から排出された塩分が結晶化しているのを観察できる。雌雄異株。花序は葉腋または枝先に集散花序をつけ、5mm程度の大きさの黄色ないし橙色の花を数個咲かす花冠は黄色で筒部は長さ1mm、先は4裂して径4〜5mm。果実は卵円形、長さ1.5〜2.5cm、灰白色に熟す。海水に浮くため、海流に流されることで分布域を広げる。

【生育環境】海岸地帯 マングローブ植物
【分  布】宮古島、石垣島、小浜島、西表島、台湾、中国南部、東南アジア、太平洋諸島、オーストラリア、東アフリカ
【開花時期】5〜7月
【カテゴリ-】絶滅危惧IB類