粟国島(あぐにじま)は那覇の北西およそ60Kmの東シナ海に浮かぶ島で、周囲12Km・面積7・63平方Kmの半楕円の扇形の島です。島は字西、字東、字浜の3字に分かれていて、2003年(平成15)7月30日現在の人口は、男471人・女442人・計913人です。 粟国島は、海産物を首里王府に調達していた関係上、古くから首里との結び付きが強く、その言葉も首里方言に近いといわれています。島の名前は、かつて粟(アワ)の産地であったことに由来するそうですが、いまではサトウキビと肉用牛の生産、漁業を中心とした静かな村です。島外との交通は空路と海路があり、那覇から飛行機で20分、フェリーだと2時間でいけます。美しい自然と、昔懐かしいのどかな赤瓦の家並み、そして陽気で気さくなウチナーオバーの息づく島です。
長浜ビーチ 島の東側に広がるビーチ。シャワーやトイレなどの設備もあり、地元の人はもちろん、夏になると観光 客も増え、ビーチは一気ににぎわいます。また粟国島には、こわいハブもいないので、キャンプにも最適です。
 
モンパノキ群落 東海岸一帯に群生し、海水浴場の入り口幅員17m、南北の距離200mを基盤にして保護されています。戦前は この木を利用して水中メガネも造ったそうです。 
洞寺(テラ)  島の北海岸近く、周囲を雑木林に囲まれたところに大きな鍾乳洞があり、そこには約200年前に「雲水」という僧侶が、他の僧侶との賭けに負けて住みついたことから、島の人達はここを洞寺(テラ)とよんでいる。古くから信仰心の強い島の人達はここを聖地と崇め、立木などの伐採を一切禁じ、島内外の信仰者の拝所になっています。
 
製塩センター 所長を務める小渡幸信さんは20数年来、塩の調査、研究を続けた結果、粟国島の自然環境(1.山がなく平坦な地形で風通しが良い  2.常夏の太陽高熱が利用できる 3.清麗で青く澄みきった黒潮である)が最適だと判断し、製塩センターを建設しました。現在ではその研究の成果が認められ、各方面からの注文が相次いでいます。粟国村にとっても新しい特産品 になったこと、また将来はこの製塩センターが雇用の場所として村の活性化に繋がるものと期待されています。
 
村民牧場 粟国は“ソテツの島”と呼ばれるほど、自生のソテツが多い島です。昔は飢饉の際の非常食糧として、欠かすことのできない作物だったそうです。また、子供たちにとっては、おもちゃとしても重宝されていて、葉っぱで作る“虫カゴ”や実で作る“笛”それと葉っぱを2、3枚束ねて“ホウキ”としても使っていました。現在では、このソテツ原野を利用し、保護しながら村営牧場として約70頭の牛を飼育しています。 
   坂木那原海岸 島の南、坂木那原海岸一帯はメーダッシ(岩山)と称して硬状の岩石、船着場、フキガマ等があり、ます。二つの岩石は海水の浸食作用によって柔らかい所が削り取られ、残った所がこの二つの岩石 だそうです。西方に進んで行くと安山岩の大きな塊や擬灰岩、フキガマ(洞穴)やアガリヤマトゥガーがあります。 
筆ん崎  海抜87メートルの筆ん崎は、まるで垂直に削りとられたような断崖でとても ダイナミックな景観です。数万年前まで霧島火山帯に属する火山の島であったことを物語り、白色凝灰岩(はくしょくぎょうかいがん)などの火山岩分布地と知られ、 多彩で美しい表情を見せています。