すみれ花だより

2006年5月4日

 今年のゴールデンウィークは、都合があって予定を立ててなかったのですが、ヤクシマスミレの開花を確認しに行こうという話が持ち上がり、急遽、5月4日にやんばるの渓流へ行ってきました。「この季節、気温が上昇し(26℃)、湿度が高いのでハブには気をつけましょう」と注意を喚起して、森へ入りました。渓流へ着くと、さっそく2匹のヒメハブがお出迎えでした。しかし、その周囲の岩場には、ヤクシマスミレが何株も良い状態の花をひっそりと咲かせていました。いつも思うことですが、まるで、ハブが門番の役目をしているような雰囲気でした。また、渓流沿いではマメヅタランが咲き始めており、沖縄島北部地域のみに分布する絶滅危惧種のハナサキガエルにも出会いました。
 帰る途中、毎年、5月の「母の日」前後に枝先に直径4〜5cmの白い花をアジサイのようにつけて咲く、親孝行の花、アブラギリを確認しに行きました。暗い林道の中が、パッと明るくなるくらい、真っ白な花を雪のように散らせて、幻想的な光景でした。この日はまだ三分咲き程度でしたが、今年もきっと、5月14日の「母の日」には間違いなく満開となることでしょう。道すがら、私たちがイチゴ街道と呼ぶ場所では、ホウロクイチゴ、ヤナギイチゴ、一番美味なオレンジ色のリュウキュウイチゴがどっさりと実っていて、みんな夢中でほおばっていました。
 また、なぜこんな所に・・・と思う場所に、ヤナギニガナが群生しているのが見つかりました。そして、近年登録されたばかりの貴重な野生蘭、タカサゴヤガラがまだ咲いていました。県道沿いでは真っ白なコンロンカやイジュの花が咲き始め、オキナワテイカカズラやハマニンドウの花が豊かな香りを辺りに漂わせていました。

  
ヤクシマスミレ

  
 ヤクシマスミレ

  
アブラギリ

  
ハマニンドウ                           ハナサキガエル

  
ヒメハブ                               クツワムシ

  
ホウロクイチゴ                        リュウキュウイチゴ

  
ヤナギイチゴ                             マメヅタラン

  
ニラバラン                            ヤンバルキヌラン

  
オキナワテイカカズラ                          ニワゼキショウ

  
タカサゴヤガラ                              ヤナギニガナ