「沖縄県すみれ愛好会」の2005年度の総会は、例年通り、辺野喜(べのき)ダム公園にて行いました。この地にこだわる理由は、オリヅルスミレは1982年に沖縄本島の辺野喜川の中流で地元の教員によって発見されましたが、1988年に新種として学会に紹介された時点には自生地がダムの底に沈んでしまっていたという劇的な出来事があったからです。 観察会では、すみれの花はもうほとんど終わっていますので、他の季節の花を観察しました。毎年見ているアブラギリの花は、昨日来の雨でだいぶ散っていましたが、真っ白な花をそれこそあたり中に散らしていました。落ちた花びらが白い絨毯になって山の小道や沢の中を埋め尽くしている情景は、台湾で「五月雪」と呼ばれているわけが実感できました。林道沿いには、チャボイナモリや渋い色のユウコクランもいたるところで咲き、季節はずれのムカゴソウもひっそりと咲いていました。また、県道沿いでは梅雨を代表する真っ白なコンロンカやイジュの花が満開で、オキナワテイカカズラやヤンバルセンニンソウ、ハマニンドウが豊かな香りをあたりに漂わせていました。カクチョウランも、残り花を咲かせていました。イチゴ街道と呼んでいる場所では、ホウロクイチゴ、ヤナギバイチゴ、一番美味なオレンジ色のリュウキュウイチゴがどっさりと実っていて、山の味をみんなで楽しみました。 |